平成29年度事業計画

 今、子どもたちは、高度情報化、少子高齢化社会の進展の中、保護者の経済格差や家族形態の変容、地域社会の支え合いの希薄化等を背景として、学力問題やいじめ、貧困、ネットトラブルなど様々な問題が複雑に絡み合う状況の中で学び、生活をしています。このように複雑化、多様化する諸課題の解決に向け、学校は家庭や地域と連携を深めながら、一体となって取り組んでいくことが求められています。
 子どもたちの「生きる力」は、多様な人たちと関わり、様々な経験を重ねていくことで育まれていきます。本県においても、とちぎの子どもたちが将来、社会的に自立し、主体的に社会に参画し生きていける力を培えることを目指し、「栃木県教育振興基本計画2020」が策定されました。この達成に向けて、学校と地域が連携を深め、目標を共有して一体となって教育活動を展開していくことが求められます。学校がチームとして機能し、保護者や地域のニーズを反映しながら、協働して子どもの学びの質を高めていくことが大切になってきます。
 国においては、平成27年の3答申の早期実現を目指し、28年1月「次世代の学校・地域創生プラン」が示され、同年6月には「学校現場における業務の適正化に向けて」が各都道府県教育委員会あて通知されました。事務職員については、学校運営に関わる職員であることについて法令上明確化すること、事務長等の学校運営事務の統括者を法令上位置付けること、共同実施組織の法令上の明確化などが改善策としてあげられています。
 また、教員の長時間勤務の改善や業務内容の見直しなどについても議論が進められ、事務職員や共同実施への期待が示されました。具体的には、職務規程の見直しにより学校教育法第37条第14項「事務職員は事務に従事する」が「事務職員は事務をつかさどる」と一部改正になり、地教行法では第47条の5に「共同学校事務室」が新設されました。これは、教員の事務負担軽減、子どもと向き合う時間の確保、業務改善等に果たす事務職員への期待感が最終段階に入ったことが伺えます。
 そこで、私たち自身、どう「応え、示していくのか。」それがこれからのとちぎの目指す学校事務像、事務職員像を描く上で大きな影響をもたらすものと考えます。
 このことを念頭に、栃事研では、これからの学校に必要な「マネジメント」「協働」「地域」をキーワードに新たなとちぎの学校事務創造に向けて活動を進めていきたいと思います。
 そのため29年度は、「子ども」に視点をあて、これまでの長い間、研究主題として栃事研活動の中心課題であった「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」を私たち事務職員が目指す使命(ミッション)としました。そして「育ちの支援」を更に具体化し、実践の拡がりと深まりを推進していくために必要な課題を研究主題としました。
 子どもたちがそのライフステージにおいて自ら学び、伸びようとする営み、すなわち「育ち」を全ての大人たちが支援していく。というこの理念を今後は更に具体化し、社会の要請や国等の施策への応えにしていきたい。また、教育の質の向上には学校事務、共同実施の質の向上が不可欠であることから、これまで以上に詳細な取組が必要であると考え、

研究主題   子どもの学びの充実を目指す学校事務

 とし、諸活動を推進していきます。
 学校は、「学校で安全安心に学び、生活していく」という保護者や地域の人々の願いを共に実現していく場であり、社会で生き抜く力の基盤を形成する場でもあります。そのために必要な要素として「学びの充実」があげられます。学びの主体は「子ども」であり、授業を担うのは教員です。事務職員は専門性を発揮し、その充実と質の向上に貢献・寄与していく必要があります。それには、学校事務・共同実施の質を高めていくこと、事務職員の力量形成、事務職員の学校経営参画は達成すべき課題となります。そのため栃事研は、組織として会員や各支部の実践活動を支援していくことはもちろん、各関係諸機関、諸団体、各地区事務研、各支部事務研との相互連携・相互補完・相互支援の関係性を構築し、この営みに参画できる事務職員の育成を図っていきたいと思います。
 29年度は、32年度関ブロ大会の主管を見据え、「学校事務職員の未来像」「経営参画の具体化」「共同実施の質の向上」を新しい事務職員の方向性として、更に深めていく必要があります。
 共同実施は、法制化が行われ、具体的規則規定の整備は各県市町教育委員会に委ねられることになります。栃事研では、規則規定モデル案の検討を含め、職務内容についても検討していきたいと思います。また、ビジョン推進チームにより、共同実施組織を運営していくリーダー層、ミドル層の力量形成の充実と全県実施の達成を実現していきたいと思います。なお、ビジョン推進チームは、とちぎ学校事務ビジョンの検証も実施し、これからの学校事務の在り方について検討してもらいます。
 研修の体系化では、関ブロ長野大会で示した企画提案力や判断力など今後必要となる政策形成力、課題解決力などを身に付けていけるよう、研修プログラムの活用を図ると共に研修の体系化そのものの充実、改善に取り組んでいきたいと思います。また、研修講師の問題を解決していくため、県総合教育センターとの連携やつくばの事務長研修受講者や全事研で開発した講師用テキストなどを活用し、その育成を図っていきたいと思います。
 経営参画では、関ブロ長野大会で提案した学校経営ビジョンの「実現」「策定」の2つの方向性について更に研究を深め、これからのとちぎの学校事務ビジョンに反映させていきたいと思います。また、「事務職員は事務をつかさどる」ことについて主事・主任・事務長(係長級・補佐級)の職層に応じた役職や機能を、共同実施組織で具体化していく必要があります。
 さて、栃事研は、「学校事務ビジョン」「中期研究計画」に基づき活動を進めています。この変化する時代において、変わらぬ理念をしっかりと踏まえながら、変化を確実に受け止め冷静に、確実に対応していくことが大切です。それには組織一体となった取組と目的の共有が不可欠です。引き続き、目に見える形での行動と組織連携を基本テーマに活動を進めます。組織としてバランス感覚をもち、会員のための組織としてあり続けたいと思います。